三菱「エクスフォース」の日本導入について考える 参考になるのはルノーのあのモデルか

三菱自動車インドネシアのGIIAS 2023の場で同社のコンパクトSUVである「エクスフォース」を発表した。

 

MPVでありながらヒンジドアの「エクスパンダー」とは多くを共有しており事実上の兄弟車と言っても過言ではない。

そんな「エクスフォース」だが日本市場への投入は「現段階では無い」

しかしながら筆者は「RVR」の後継として悪くないモデルであると思っているため、「エクスフォース」が日本市場でも投入が出来るようさまざまな事を思案してみた。

⚠️日本に投入されても「エクスフォース」を名乗れる可能性は高くない

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(画像引用元:三菱自動車)

 

この「エクスフォース」の日本への導入に関し難しい点がいくつかある。

そのひとつは「輸入による商品の価格アップ」だ。

「エクスフォース」は現在2グレード構成で最安価グレードでの価格は382,500,000インドネシアルピアで日本円にして約364万円〜と値段は高めだ。

この時点で輸入コスト、法規対応などを考えると400万円台に上ってもおかしくは無い。

そして課題の二つ目として「法規対応」だ。

オーストラリア市場でも理由を同じくして導入が現段階では見送られている。

どうやら現状ではANCAP(安全性能評価プログラム)にクリア出来ない可能性が高く、「エクスフォース」を輸入して法規に対応させて、そこそこの量を売らなければ投資の意味もなくなってしまうという点は日本市場でも合致するところがある。

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(画像引用元:三菱自動車)

 

さて、主にこの二つをクリアする方法として筆者が思いついたのは「ルノーアルカナ戦法」だ。

ルノーのクーペSUV「アルカナ」は初演をロシアで行い、約1年後にルノー三星が兄弟車「XM3」を発表。そしてその数ヶ月後には韓国からの輸入で欧州市場へ投入され、昨年2月からは日本でも販売されている。

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(画像引用元:ルノー)

 

ここで特筆しておきたいのが、ロシア版「アルカナ」は「B0+ プラットフォーム」であり、韓国製造版「アルカナ」は「CMF-B  プラットフォーム」であるということだ。

つまり両車は同姓同名でありながらも別者と捉える事も出来る。

この背景には2015年に成立した「EU-韓国自由貿易協定」に基づく完成車の輸入関税削減の恩恵を受けている事が大きい。と同時にルノー三星としての生産台数を稼げるというメリットに基づくもの。

この状況を「エクスフォース」で置き換えればこの様になる。

三菱新型コンパクトSUV「エクスフォース」をインドネシアで発表し、数ヶ月後にASEAN地域などに投入。(←ここまでは確定)そしてその数ヶ月後(または数年後)にSKDという形を取り三菱自動車の国内工場で製造し、オーストラリアにも輸出

という事もあり得る。

その際には「GSプラットフォーム」から「CMF-B プラットフォーム」に変更される可能性すら否定できない。

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(画像引用元:三菱自動車)

 

余談にはなるがオーストラリアメディアが次期「ASX(RVR)」について質問したところ、「ルノーとエクスフォースがある」としており、「ルノー」はキャプチャーに基づく「ASX」を発売しておりそれにするか三菱製を待つかという状況なのだそう。

ただやはり「ASX」が受け入れられる可能性を懐疑的に見ている為、三菱製を待つのが賢明かもしれない。

また質問に対して三菱は繰り返すように「三菱らしさの多いルノーのプラットフォーム、もしくは三菱らしさの少ないルノーのプラットフォーム」と発言している為、これが指す内容が三菱らしさの多い=ASXの存続への投資ではなく、三菱らしさの多い=「CMF-B プラットフォーム」だとすると新たな可能性も見つけられそう。

三菱らしさの少ない=キャプチャーOEMだろう。

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(画像引用元:三菱自動車)

 

そして価格面を抑える方法としてはトヨタアルファード」みたく高級グレードから攻めているかちょうど中間のグレードから攻めていると予想している。

つまりは先に紹介したグレードが現状では最安価だがこれは実は中間で、この下のグレードがあるということだ。

ものすごく相当に割り切ったグレードを作り出せれば300万円〜も夢物語ではなくこれが出来た上で先ほどの戦法を取れば可能性はあるのではないだろうか。

安全面に関してはおそらく何らかの策を取るとは思うが具体的に改善点が不明なため申し訳ないが深く記述することが出来ない。

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(画像引用元:三菱自動車)

 

将来的な電動車の追加が確実である「エクスフォース」だが最初はやはり「ハイブリッド」になるはずだ。

タイミング的にはあり得そうだがあまりにも早い気がするが善は急げ、そのマインドがあれば実現出来るかもしれない。

…というかこれこそが「Challenge 2025」に書かれている「2-row SUV HEV/BEV」でこちらはスケジュール通りならHEVから24年末頃発表予定なので時期も合うのでは…?

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(画像引用元:三菱自動車)

※こちらは一部を切り取ったもの

 

総じて私が申し上げたいのは、日産「キックス」の次期型のテストカーのドアノブが三菱製に見えるのに対し、三菱側からそれ(兄弟車)が出ていないのはどうして…?