本日スズキ、ダイハツ、トヨタ、(CJPT)の3社から今年度内に市場に導入する予定の軽商用EVのプロトタイプが公開された。
これらのモデルたちは3社により共同開発されたBEVシステムを搭載する。
スズキ、ダイハツの2社の小さなクルマづくりのノウハウを最大限活かし、そこにトヨタが持つ電動化技術を当てはめる。
スズキ、ダイハツは言わば永遠のライバルの様な存在だったが、電動化を乗り切る為にはメーカーを越えた協力が必要不可欠だ。
開発したモデルはCJPTを通して世に送り出される。
そして福島県と東京都における社会実装プロジェクトで、パートナーの方々に使ってもらい意見を集めるようだ。
これら3モデルはそれぞれが違った名称を名乗る。
ダイハツは「ハイゼットカーゴ」、スズキは「エブリイ」、トヨタは「ピクシスバン」。
画像を見てお分かりになると思うが、この度投入されるBEVはダイハツのバイゼットをベースにしているため、生産はダイハツが担う。
航続距離は200km程度を想定しているようだ。
参考までにホンダのN-VANベースのEV(2024年投入)もまた航続距離200kmを目標にしている。
現在販売されている三菱のMini CAB MiEVではWLTCモードで133kmを記録している。
因みに進化したミニキャブミーブが来年登場する予定だ!
プロトタイプは「G7広島サミット」の5月18日(木)~21日(日)に自工会の行う自動車業界のCN達成に向けた取り組みを紹介する展示イベントで初公開となる。
そして疑念点となるスズキ「エブリイ」の新型がこれであるという事だが、個人的に「それは無い」と思っている。
第一にこれは社会実装の一部だという事。
以前のニュースリリースで各社は
〈今回、4社が共同で取り組むBEV商用軽バンは、福島県と東京都における社会実装プロジェクトにおいて、パートナーの皆様にご活用いただく予定です。〉と記した。
つまりこれは一般販売ではなく恐らくはリースで販売するという事なのだろう。
言い換えればこれが一般販売されない限り、このモデルは社会実装としての「エブリイ」であって、一般販売する「エブリイ」とは相反するという事だ。
極端な言い方になるが、スズキが欲するのはユーザーの声、ダイハツはEVシステム、トヨタはEVを出した事実と言った所だろうか。
第二に、スズキは2025年までに国内で軽EVを投入する予定だという事。
これが次期「エブリイ」とは言えないが、商用から攻める計画を持つスズキが次に打つ一手としては商用に限りなく近いモデル(エブリイワゴン)のEV化だろう。
もしそうならフルモデルチェンジの際にはHEVもあるだろう。
※ここには筆者の願望も含まれている
踏み行った話にはなるが「エブリイ」という名前を名乗ったのは、恐らく商標の兼ね合いもあるだろう。商標一つとるのもお金がかかり、ここでトヨタのbZの様な新たな商標を取得するとコストが嵩む為、「エブリイ」を使ったのだろう。これも根拠が薄いが「ありそうだね」と思っていただければ幸いだ。
トヨタのEV戦略は加速し、スズキも10年後に向けた投資を怠っていない。
ダイハツは今年、ヒットモデルであるムーヴなどのフルモデルチェンジを実施するが、不正の影響があり遅れる可能性もある。
次期ムーヴに関しては既存情報しか知らない為、私からはレンダリングで締めたいと思う。
(画像引用元:@Enhance_Artwork)
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